ポスティングの要は範囲設定!ポスティング範囲のパターンを解説
宣伝効果の高いポスティングをするためには、ポスティング範囲の設定が大切です。ポスティング範囲のパターンは、商圏範囲やターゲット層を見定めて設定する場合が多くなります。また、広範囲にランダムで配布する方法も、場合によっては有効です。本記事では、それぞれ3つのパターンについて、詳しく解説します。
商圏範囲で決めるパターン
ポスティングの配布範囲を決定する際に、重要な指標となるのが「商圏」です。
商圏とは、特定の店舗や事業所が影響を及ぼす地域の範囲を指します。一般的に、1次から3次までの商圏が設定され、それぞれ異なるターゲティングがおこなわれます。
1次商圏
まず、1次商圏は顧客が毎日でも来店可能な距離の範囲を指し、通常は店舗から10分以内の範囲が該当します。
店舗へのアクセスが容易なため、1次商圏は最もアクティブな顧客層が存在するエリアであるといえるでしょう。。そのため、とくに店舗の周辺地域に重点を置いた宣伝活動がおこなわれます。
2次商圏
次に、2次商圏は、時間に余裕のある日や週末に来店できる距離を指します。
一般的には、店舗から歩いて20分以内、自転車の場合は10~15分以内の範囲です。また、車でのアクセスでは、半径5km以内が目安とされています。2次商圏では、より広範囲の顧客を獲得するために、効果的なプロモーションが展開されます。
3次商圏
最後に、3次商圏は連休や月1回程度であれば来店可能な距離を指します。
車や電車で店舗から30分以内の範囲、7~10km以内が目安です。3次商圏では、広範囲の顧客層を対象にした広告やイベントがおこなわれますが、ターゲットの特定や効果的なリーチを図るために、より戦略的なアプローチが求められます。
路線バス・タクシーでの来店も考慮
さらに、商圏を設定する際には、路線バスやタクシーの初乗り運賃で来店できる範囲も考慮しましょう。
これらの交通手段を利用する顧客をターゲットにする場合、3次商圏と同様に広範囲に及ぶため、効果的なターゲティングが必要です。
ターゲット層で決めるパターン
次に、ターゲット層の多い地域を重点的に選定し、配布範囲を絞り込む方法を解説します。
無店舗型の商品サービスや通信販売業などでは、とくに効果的なターゲティングが求められるため、ターゲット層でポスティング場所を定めることが多いです。この方法では、まずはジオグラフィック変数やデモグラフィック変数などからターゲット層の特徴を分析し、配布エリアを設定します。
たとえば、以下のようなターゲット像(ペルソナ)を設定します。
・60歳以上の女性が多く住んでいる地域
・年収500万円以上が多く住んでいる地域
・分譲住宅・分譲マンションの多い地域
・未就学児が多く住んでいる地域
ペルソナの特徴をもつ人が多く住む地域を中心に配布範囲を設定すると、ターゲット層にアプローチしやすくなります。たとえば、高収入者や家族層をターゲットにした商品やサービスの場合、これらの属性が顕著な地域にポスティングを行うと、効果的なリーチが期待できます。
商圏範囲とターゲット層を組み合わせるパターンもある
また、商圏とターゲット層を組み合わせて配布範囲を決定する方法もあります。
とくに、商圏の広い店舗やショッピングモールなどで活用される方法です。たとえば、駅近くにあるスポーツジムが60歳以上の男女をターゲットにする場合、まずは3次商圏にあたる範囲を設定し、その後、デモグラフィック変数から60歳以上の男女が多く住んでいる地域を選んでさらに配布範囲を絞り込みましょう。
広範囲にランダムで配布するパターン
ポスティングの配布範囲を決めず、広範囲でランダムに配布する方法もあります。
商圏が広く、ターゲットを特定できない場合や、不特定多数がターゲットである場合に適した方法です。具体的な商圏がないため、市区町村単位で配布エリアを設定し、ポスティングを行いましょう。
配布期間・配布地域が重要
この方法では、配布期間や配布地域をどのように分けるかが重要です。
たとえば、6か月間で市区町村単位にポスティングを実施する場合、前半の3か月で半分の地域へチラシを配布し、後半の3か月で残り半分の地域にチラシを配布すると、反響率を比較できます。また、配布する地域ごとに内容を分け、反響を分析できるようにすると、投資対効果を期待できます。
エリア特性を見極める
ポスティング範囲を決定する際には、エリア特性を見極めましょう。
各エリアの住民の年齢層やライフスタイル、交通インフラなどを調査・把握すると、効果的なポスティング範囲を設定できます。少ないコストによる効果的なポスティングが可能となるため、エリア特性の把握はスポーツジムや学習塾、個人経営の店舗などの販促や集客に繋がります。
効果的なエリア特性の分析方法
しかし、エリア特性を見極められなければ、コストが余分にかかってしまう可能性や、効果的な集客が難しくなったりする可能性があります。
したがって、十分な分析調査を行い、エリア特性を把握することが重要です。エリア特性の分析には、エリアマーケティングGISを導入しているポスティング代理店や専門業者の協力を得るのが有効です。
ポスティングの企画や印刷と合わせて、エリア特性の分析や提案も行ってくれる場合も多いため、委託を検討する際にはその点を確認してみるとよいでしょう。
まとめ
ポスティング範囲を定める方法には、商圏やターゲット層、ランダム配布などさまざまなパターンの選び方が存在します。商圏範囲では、店舗周辺や時間帯に応じたターゲティングがおこなわれ、効果的なリーチが可能です。ターゲット層を重視する方法では、特定の属性をもつ地域を重点的に選定し、ターゲット層にアプローチします。広範囲にランダムで配布する場合は、地域ごとの特性や反応を考慮しながら、効果的な配布計画を立てることが重要です。ポスティング範囲を設定する際には、エリア特性の分析や専門家の協力を活用し、効果的な配布範囲を見極めましょう。